バルセロナの二日目はやはりガウディからはじまっている。
グエル公園。実は一日目サグラダ・ファミリアにつづいて出掛けてはみたものの、チケットオフィスの場所を間違えてしまったがために、結局はタイムリミットにも重なったことで入園できずに泣くなく引き返したのであった。
ということもあり、そのグエル公園へは朝一番に出掛けている。ホテルのある中心部からはバスの停車場までとにかく歩かされる。「たった4キロだから」と言われたら「はい」と応えるしかない。後々、美味しいもの食べたいのであればという取り決めに背くことはできない。
バスに乗ってしまえばそこから20分ほど。多少朝の渋滞に巻かれながらもバルセロナの市街地をジグザグと通り抜ければ緩い勾配の丘に辿り着いて、昨日とは異なる公園の入口に辿り着く
。
斬新な丘の上の公園はガウディにグエイ伯爵が依頼して誕生したもの。20世紀初頭の斬新なプロジェクトは、当時そこに隣接した分譲住宅と一体化したいわゆるテーマパークの元祖と言えるだろう。おとぎの国というイメージはそこに立つ建造物や敷地内の類まれない色彩、そしてデザインから感じることができるが、当時の人々にとってのそれは“行き過ぎた発想”でしかなく、そのような浮いた区域内に暮らしたいと願う人などほぼいなかったという。ガウディとは理解し難い時の天才だったと目の当たりにする瞬間である。いま現在ここを訪れても様々な創作や奇抜な発想に釘付けにされてしまうが、公園の中心部、そう心臓部にあるラ・ナトゥーラ(自然)広場の景観には言葉を失う。緩やかなカーブを描く色彩豊かなベンチが広場を大きく取り囲み、そこからの一望(バルセロナの街を見下ろせる)こそガウディの思い描いた夢だったのではなかろうか。
公園を後にして次に向かう先はピカソ美術館。ここは美術おたくの娘たっての希望であり、それに反論する余地はない。一度、中心部に戻り自分たちのホテルの近くにあった美術館だと知り、どうして先にここを訪ねなかったのかと問いかけると、美術館に入る前にある程度の心の準備をしたかったのだと応える娘。自分の娘ながらガウディやピカソほど難解かなと天を仰ぐ。
ピカソが20歳まで過ごしたというバルセロナ。その美術館の中は細かく区分けされていて、偉大なる芸術家の形成期、4匹の猫の時代、パリの滞在期、青の時代、ピンクの時代など、到底常人には理解し難い名称とともに分類されながら部屋を進んでいく。
もちろんこれこそピカソ作、と自分にもわかったかのような造形物、絵画などもあり奇抜な作品群の中に時折ホッとしたりもする。娘はじっくり眺め歩いたのでおよそ90分、自分にとってはいろんな意味で未知の未曾有の時を体験している。
堂満尚樹(音楽ライター)
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